私が紹介したいお店【滝下菓子店】
昭和44年創業。50年から今の場所に店舗を構え、ご夫婦の一代で営んできた出水駅前の皆に親しまれる和菓子店。
出水駅の新幹線口から歩いて3分ほど。ブルーの軒が目印のお店。
「十年一昔と言いますけど、それを四回も繰り返してるんですよ。オープンしてすぐに隣の店舗から火が出てお店が半焼しちゃったり、平成18年夏の大雨でお店の中まで水で浸かってしまったり。色んなことがありましたよぉ。なんとか、頑張ってやっていますよ。」優しい語り口調のご主人と明るい奥様。大変だったこと、色んな出来事を乗り越えてきたお二人。
ひとつひとつ丁寧に二人の手で作られたお菓子は、どれも愛情深い味わいがある。
かるかん真っ白フカフカな鹿児島銘菓のお饅頭。滝下菓子店では、天然の自然薯と山芋・米粉をふんだんに使用して作っている。上品な香りと口当たりから、昔は「殿様菓子」とも呼ばれていたそう。
白・ヨモギ・餡入りがあり、1個ずつ個包装のものとずっしりした竿ものがある。
いこもち「幼い頃から滝下菓子店のいこもちが大好きでよく食べていました!」と、多くのファンがいる、こちらも伝統的な薩摩菓子。煎った米の粉を材料にすることから、いりこもちとも呼ばれる。竿物で黒糖いこもちもある。そのままでももちろん。冷蔵保存して炙って食べても美味しい。
滝下菓子店のかるかん・いこもち・出水饅頭は小麦粉・卵を使用していないのでアレルギーの方にもやさしい。
鶴慕情(つるぼじょう)いろんな出来事を乗り越えて、今の姿にたどり着いたお菓子。ビスケットで包まれたフカっとした食感。地元産のみかんの香りが広がる上品でお洒落なお味。
しぐれ餅米と小豆餡を練って蒸し菓子。もっちりとした食感に黒糖の香りの鹿児島銘菓。「これ菓子」とも呼ばれている。
パイ饅頭くるみ味とマロン味。バター香るパイ生地の中に和な餡生地。和・洋、どちらの気分の時でも嬉しいお菓子。
春駒(はるこま・はるごま)鹿児島のお土産菓子として人気の一つ。武士が創作したと伝えられていて、長い道中に食べるものとして竹の皮で巻いて蒸したお団子だったそう。小豆餡の風味、弾力のあるもっちりした口当たり。無駄な飾りの無い素朴さが漂う伝統的な薩摩菓子。
かすてらまんじゅう。かじって「おぉっ」となる。口に広がるカステラの洋風な香り。素敵な和洋コラボ。
出水の里。もこっとした食感で素朴な味わい。なんだか懐かしい「ふるさと感」のある和菓子。
四季の実 栗。中にはあんと栗の実。そして外側の「栗饅頭の皮」って、なんでこんなに美味しいんだろう。ころんとしたフォルムも良い。
私が初めて滝下菓子店に訪れたのは、移住してきたばかりでまだまだ全然鹿児島弁が分からなかった頃。そんな私に常連のお客様と滝下さんご夫妻の三人が、優しい鹿児島弁で教えてくれる鹿児島・出水のお話。気がついたら二時間近く盛り上がってしまった。「頭」を「びんて・びんた」と言うこと。覚えました!また美味しい和菓子を買いに行くたびに教えてもらおう。
「行きつけの和菓子屋さんがある大人」って、すごく粋じゃないか。
忙しい日々の中にささやかなご褒美として。滝下菓子舗の優しい和菓子をどうぞ。急須で緑茶を淹れて、ゆったりとした時間で自分をおもてなししよう。
滝下菓子舗
0996-62-8635
鹿児島県出水市昭和町46−5
定休日 なし
営業時間 7:00〜19:00
駅構内の飛楽里(ひらり)でも商品購入可能。地方発送・出水ふるさと納税の返礼品としてのご注文も出来る。
(文:Atsuko Yamakawa)