オーナーは今日も走る
こんにちは!〚つばめ文庫〛の小村です。
今回は身近にいる、たいへんお世話になっている人のことを書いてみました。前から気になっていたのです。いろいろお話を伺いましたよ。それではどうぞ!
仕事でいつもお世話になっている、すみとカフェオーナーの「あすみん」こと、伊達あすみさん。彼女には「社団法人テンラボ」の代表理事というもう一つの顔がある。週のうち半分を出水市、もう半分を鹿児島市で過ごすという、いわゆる二拠点生活をする。
すみとカフェでの活動はわかりやすい。では、テンラボとは何か。一言で言えば、街の活性化を図る仕事だ。いまは主に出水での活動をメインとする。空き店舗をリノベーションして活用するための講座の場を設けたり、実際に新しく事業を始める人の支援を行うなど積極的に動いているのだ。その活動を支えるメンバーは複数いるが、基本的に出水では一人で動いている。なんとエネルギッシュなのか!
そんな活発なあすみさんに、私はとても興味を抱いた。そのパワフルさの源泉はどこにあるのだろう?そして、街の活性化の仕事の可能性およびその面白さはどこにあるのだろう?と。
あすみさんが初めて、街作りの活動をする人に会ったのは、大学生の頃に就活でインターンシップで訪れた福岡でだ。その時に、これは面白い活動だ!と興味を持った。
その経験を踏まえ鹿児島に戻る。そして大学2年のときに参加したインターンシップフェアで、当時出展していたテンラボを思い出した。街づくりを仕事にする同団体に興味を惹かれたあすみさんは、当時の代表理事・永山由高(よしたか)氏に会いに行き、「現場を見ないか?」と声をかけられる。そして大学四年の秋から現場でアルバイトを開始。そこで、大きな気づきを得ることになる。
具体的な仕事は、地域の発展計画を立てること。そのためには、地元の人との対話が不可欠であった。そして気づくのである。福岡で体験した街づくりの活動との大きな差異に。福岡では、デザイン、建築などいわゆる“手に職”を持つメンバーが運営の担い手だった。しかしテンラボは違ったのである。あくまで“対話”が基本。なので、対話のための場づくり、対話のためのネタ(話題の引き出し)提供などが活動の中心になる。「これなら自分にもできることがあるかもしれない!」と感じたあすみさんは活動に本格的に打ち込んでいくようになっていった。
その中で、活動するうちに見えてくることもある。大勢が集まって話し合いをする場では、どうしても自分の考えを伝えられない人もいる。そんな方々とは場の後で、一対一で話を伺うこともあるそうだ。それらの話を総合して見えてくる地元の人たちのリアル。そういう本音・本当の姿を炙り出し、街づくりに落とし込んでいく。そんな点がテンラボの大きな良さであることにも気づいたのだった。
そして月日を経た2015年。出水に特化した活動をいよいよ始めることになる。一つの街に集中することで、継続的にそこの活性化活動を行っていけるのだ。しかし基本的には単年ごとの仕事の依頼であった。毎回単発で終わるのは残念に思っていた。そこで思いついたのが出水に居場所を置くこと。それがいまの「すみとカフェ」なのである。こうすることで、継続的に仕事を行なっていける体制も整った。
街の発展のためのやり方が無数にあり、いくらでもいかようにも挑戦できる。たのしい、好きという思いがあればずっと継続して活動できる。そういう良さも大きな魅力と話すあすみさん。2021年にはテンラボの理事長に就任。絶えず改善を続けながら、出水での活動は今年8年目を迎えている。
「挑戦する人の背中を押す、サポートをする」というテンラボの理念通りに動きつつ、そんな人と人を繋げる。その繰り返しで街が活き活きとなっていく。その変化を感じ取りながら、彼女はきょうも走り続ける。
伊達あすみ さん
・1992年11月28日 鹿児島市生まれ
・趣味: 心霊動画を見ること
・得意なこと: 長時間の車の運転
・好物: お肉
●出水の好きなところ: コンパクトな街、人との近さ
●読者に一言: 「(このサイトの)更新を頑張ります。末永く、よろしくお願いします!」
(文:Yuichi Komura (ブックカフェ つばめ文庫))