【後編】友人を連れて故郷と思い出につなげていく。

【後編】友人を連れて故郷と思い出につなげていく。

出水出身で、現在は大阪にて指輪をはじめとしたメタル作品を製作している「studio cloud」の竹崎 伸一(たけざきしんいち)さんにお話を伺いました!
前編・後編にわたってお届けしていきます。

※こちらの記事は後編になります


就職して、とにかく制作し続けた10年間は、いま振り返るとどうですか?

どうだろう…苦労はあったし、過去に戻りたくはないけど、いま振り返ると充実してたなぁ。

竹崎さんがやってて楽しいなぁと感じるのはどんなところですか?

作ったものがそのまま形に残って、技術が目に見えて向上していくのは楽しいね。

できることが形となって出てくる。それはやりがいを感じますよね。

今は特に指輪を作ることが多いし、人の幸せの場面に携わることができるのも、やりがいを感じるね。

独立して、自分のブランドでやるとなれば、制作だけじゃなくて、お客様とのやり取りから始まりますよね。その変化はどう感じましたか?

ただキラキラした指輪ではなく、お客さんの想いをカタチにすること。
そのために必要なのはちゃんと話を聴くことからだと思ったんだけど、もともと人見知りなほうだから、ちゃんと営業もできるようになろうと思って、苦手だけどいろんなところに顔出したりしてたかな。

独立した頃の竹崎さん。
指輪と向き合う姿も素敵です。

独立したときの自分もイメージして準備を進めていたんですね。
いい意味で職人さんっぽくないというか、私から見た竹崎さんの印象は、どちらかというと人と話すことを大事にされてるというか。もともとそういうお人柄なのかなと思ってました!

友達なんか作るもんか!と都会に出たものの、それじゃだめだということに気づいて、友達をたくさんつくる努力をしたよ。そのときにどういうふうに人と接するかと考えたときに、うちの母親とかおばあちゃんとか、鹿児島の気取らない人たちを想像したのよ。
鹿児島の人に限らず田舎の人たちって、誰とでも話すみたいなとこあるじゃない?気づいたら知らない人と普通に会話してたり。「あれ知り合い?」って聞くと「ん?知らないけど。」みたいな。「え、知らない人から野菜もらったの?(笑)」みたいなさ。

なんかわかる気がします(笑)

そのスキルってすごいなって思ったのよ。だからそれを真似て、大阪でもやってみようと。初対面の人とはいきなり対面で話すというよりは、いつの間にか隣にいて、自然と話していくみたいな。その努力が今に活きてるんだろうなぁ(笑)

家族や故郷から学ぶこと、たくさんありますね。

独立して個人事業主ってなればもう総力戦だからなぁ。前、出水高校の生徒さんたちにもそんな話したよ。「出水らしさ、人のよさ、人との関係性の作り方っておばあちゃんとか見て勉強したらいいよ」って。伝わったかわからないけど、コミュニティのなかでうまく生活する知恵。それが自然とできることって世界でも通用するスキルだと思う。

人としてどう在るか、どう在りたいかも含め、大切なことですよね。

技術はやればやるほど勝手にうまくなる。THE職人はたくさんいるし、もちろんいいものは作るんだけど。この人に作ってほしい、お願いしたいと思える人であることも大事だなと思って。そういう経験も積まなきゃなと思ったよね。

まさにその考えがあっての今の竹崎さんなんだと思いました。
では、ここからは独立して立ち上げた「studio cloud」のお話に。よく聞かれると思うのですが、なぜ「cloud」なんですか?

竹崎さんがつくりだす指輪をはじめとしたメタル作品の数々。作品はStudio CloudのHPまたはInstagramからご覧ください。

雲を見て、くじらみたいという人もいれば、飛行機のようという人もいるように、その人が思うように見えていいし、使っていい。国境も隔たりなくふわふわ飛んでいって、大事な雨を降らして。いろんな見え方や楽しみ方でいいんだよって気持ちが一番強いかな。

cloud、そういう意味なんですね。素敵だなぁ。
では、地元には帰らず大阪での独立を決めた竹崎さんが外から出水を見ていてどんなことを感じているか、どんな関わり方を考えているかなども聞かせてほしいです。

きっかけは、大阪の友人を連れて鹿児島の川辺で開催してる「グッドネイバーズジャンボリー」というフェスに参加するようになったこと。それだけを目的に鹿児島に行くのも楽しいんだけど、せっかくなら鹿児島のいろんなところに連れていきたいなって。
友人と話してると、みんな鹿児島に対する憧れとかがあってね。自分でただ旅行に行くよりも、「俺が案内するよ」だときっと楽しみ方が全然違う。そういうツアーに参加したいという鹿児島好きの人が多いので、その気持ちを活かさないともったいないなぁと思ってツアーをやりだしたよ。そしたらもう反応がパーフェクトなんだよ(笑)
それが嬉しくって。鹿児島の人たちも喜んでくれるし、良い買い物もできる。いいことしかない。

グッドネイバーズジャンボリーをきっかけに、岡山、大阪、東京、総勢10名で鹿児島をめぐる。

それは間違いなく嬉しい。みんなハッピーですよね。

そうそう。僕が高校のときによく食べてた「たんぽぽ」(お好み焼き屋さん)に連れて行って思い出の味を共有してさ。私の思い出を一緒に巡るってのは私にしかできないことだから。
さらに一晩でも、旅行に来た私たちと鹿児島の人と、お互いの活動とか情報を共有する交流ができたら、出水での面白いアイデアも浮かびそう。
旅行以上仕事未満、そんな場がつくれたらいいなと思うよ。

そういう時間、個人的にめちゃめちゃ興味あります!

いいよね。
出水と大阪でも何かしらできたらいいなと思うよ。

それはもうぜひ!作戦会議したいです!
竹崎さん今回はインタビューお付き合いいただき、ありがとうございました!

はーい、ありがとうございました。

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