出水の未来をつむぐ、学生たちのチャレンジは続く。

出水の未来をつむぐ、学生たちのチャレンジは続く。

高校生の頃から”出水を盛り上げたい”という気持ちで学生団体を立ち上げ、 現在は北九州市立大学 地域創生学群に通う大学2年生 山口美乃(やまぐちよしの)さん。
出水を離れ、北九州を中心に精力的に活動する彼女の今と出水愛について伺いました!


ズバリ!美乃ちゃんの出水”愛”はどこからきているの?思い当たるきっかけとかある?

小学生の頃からダンスをしていて、地域のイベントで踊ることも多かったです。そういう意味で、もともと”地域のイベント”には興味がありました!
高校1年生のときに『スタートアップベース』という企画を担任の先生に教えてもらって。長島町でまちづくりをしている方の話を聞いて、地域創生系の大学に行きたいなあと思いはじめました。そこからは興味の赴くままにいろいろ活動していました。

そういうきっかけがあったんだね。美乃ちゃんは活発なイメージなんだけど、小さい頃からそうなのかな?

小学生の頃から友達の誕生日会とかを企画するのが好きでした。「誕生日だからプリクラ撮ろう~!」よりは、何かを作ってやるのが好きで。ウォークラリーしたり(笑)

誕生日にウォークラリー!?(笑)

企画するのが好きなんです。びっくりしてもらってなんぼかなと。友達もそういうのいいね!と言ってくれて。

せっかく祝うなら喜んでもらいたい、一緒に楽しんでほしいという気持ちからなのかな?

それもあるんですけど、誕生日を迎える友達にとって思い出に残る日をつくりたい、という気持ちが強いかもしれません。去年よりもっといいものを…と思っていたら、ウォークラリー➡ビンゴ大会➡ドラマ作りにまで発展しました(笑)

美乃ちゃん想像以上に面白いね(笑)私と美乃ちゃんの接点は、”出水をもっと明るくしたい!”「いずみ学生つむぎ隊」の存在がきっかけかなと記憶しているんだけど。

そうですね。「いずみ学生つむぎ隊」をつくったのは、高校3年生の3月。企業から出される課題をもとに、高校生と大学生がチームを組んで解決策を作り上げる『Quick & Chalk プログラム』に参加したことがきっかけです。
私の中では「地域を盛り上げる学生団体を立ち上げたい」という思いがもともとあって。せっかく企画したんだから形に!ということで、卒業間近ではあったんですけど、団体を立ち上げて、まちあるきイベントを開催しました。

つむぎ隊で初めて企画した「商店街スタンプラリー」のチラシ

おお!すごい行動力…!なぜまちあるきを企画したいと思ったの?

もともとつむぎ隊が誕生するきっかけとなった『Quick & Chalk プログラム』でのミッションが、「出水駅から商店街をつなぐ」ということで。
それなら、まちを歩いてもらったほうが魅力が伝わるんじゃないかな?という意見がきっかけになっています。

なるほど。まちあるきイベントとは具体的にどんなことをしたのかな?

2019年の5月5日に麓武家屋敷群のほうで開催された「シラス像パークまつり」というイベントに合わせて、麓から商店街にかけて歩いて回ってもらうために、商店街スタンプラリーを実施しました。

つむぎ隊の企画単体としてではなく、お祭りに合わせて実施したんだね!

商店街の方と話す機会があって、そのときに「つむぎ隊としてこんなことをやりたい」という話をしたら、「それならお祭りとつなげたらいいんじゃない?」とアドバイスをもらって。
そこから市役所のお祭り担当の方とつないでくださって。
実際に市役所に企画内容も説明したうえで一緒にできませんか?と提案しました。
私以外のつむぎ隊メンバーがそれから何度か市役所に足を運んでくれて、なんとか開催につなげられた、という感じです。

いや~すごい。開催までの調整や準備は大変だよね。
商店街スタンプラリーを実施するにあたっては、どんな内容でどんな準備を進めていったのかな?

内容としては、麓会場でスタンプラリーの受付をして、商店街を歩きながら、対象店舗でクイズに答えてもらって、全部正解したら景品がもらえるよ!というものでした。
準備としては、実際に商店街のお店を回りながら話を聞いて、お店ごとのクイズを考えて…当日は対象店舗にスタッフが立ってお迎えするという感じでした。

なるほど。当日はどんなお客さんが多かったのかな?反応なども聞けた?

会場にいる方にお声かけしていったのですが、親子や友達と参加する方、年配の方にもご参加いただけました。
麓から商店街までちょっと距離が長くて行くのが億劫に感じた方もいたようなのですが、「こんなに出水の魅力があるなんて知らなかった!」とか「醤油の食べ比べが楽しかった!」という声がありました。

醤油の食べ比べ!?

商店街にある藤本醸造店さんもスタンプラリーの対象店舗だったのですが、「どれが甘口醤油でしょう?」というクイズで、わざわざ食べ比べするために天ぷらとお醤油を用意してくださって!お客さんからも好評いただきました。

それは面白い!実際協力をいただくお店さんがそうやって一緒に盛り上げてくれるのってめちゃめちゃ嬉しいね。
当日は結構手伝ってくれる人も必要だったと思うけど、仲間はどうやって集めたのかな?

もともとつむぎ隊自体は、『Quick & Chalk プログラム』のなかで同じチームだった子と学生団体をつくりたいねという話から生まれていて。
そこから妹に声をかけたり、もともと地域活動に興味があると話してくれていた同級生に声をかけたり。そうやってつむぎ隊のメンバーが集まりました。
商店街スタンプラリー当日は、ボランティアスタッフを15~16人くらいは集めました。
とにかく自分とつながっている人たち、ひとりひとりに声をかける一本釣り方式で頑張りました!(笑)

それだけの人数集められたのもすごいね。実際企画・参加してみたつむぎ隊のメンバーやボランティアスタッフの子たちの反応はどうだったかな?

地域イベントでボランティアするということがなかなかないので、楽しかった!という声や、つむぎ隊の活動に興味を持ってくれる子もいました。ただお客さんが来るまで立ったまま待っているという時間も長かったので、あまり楽しくなかったという意見もあり、それは反省点でした。

そうか、そうかぁ。なんか嬉しい声も、残念な声も、どちらも勉強になるね。このチャレンジはつむぎ隊としてもかなり大きな一歩になったんじゃないかな?

そうですね。私個人の感想としては、実際に地域で活動する仲間が少し増えたというのはちょっとした成果なんじゃないかと思ってて。
高校生がイベントを仕掛けることってあまりなかったと思いますし、これをきっかけに商店街の方から「商店街のお祭りを一緒に企画しませんか?」という依頼がきたり。
そういう動きを出水のなかに、地域のなかに起こすきっかけがつくれたのかなと思ってます。

商店街で開催される「土曜祭り」でも、いずみ学生つむぎ隊が大活躍!

そうだよね。実際商店街スタンプラリーを実施したタイミングではもう美乃ちゃんは大学1年生だったんだもんね。つまり大学生×高校生×商店街コラボの企画。出水で初だったんじゃないかな。
ちなみにいまも、美乃ちゃんとつむぎ隊はつながりがあるのかな?

最近はがっつり連絡をとることは減りましたけど、たまに後輩たちから「こんな情報知りませんか?」とLINEがきたり、私が出水に帰ったときには直接話を聞いたり。今も継続してつながりはあります。

頼れる先輩だね。そしていまもつむぎ隊が続いているということもすごいことだよね。
さて次は美乃ちゃんの今の話を聞かせてね。いま大学2年生の美乃ちゃん。北九州市立大学を志望したきっかけはなんだったのかな?

オープンキャンパスに行ったときに、実習やゼミ、授業だけじゃなく、地域に出て活動しながら学んでいくスタイルだからめっちゃ忙しいよ!と言われて、自分に合っているかも…と思いました!

忙しさに惹かれたの?(笑)

はい(笑) のんびりした大学生活ではなくて、活発的に動ける大学生活になるのかな…と。経験上、それが自分には合っているかもしれないと思って選びました。

実際の大学生活はどう?

1年生のときから、講座を6本くらい作ったり、ラジオ番組を作ったり。所属している団体で小学校への出前授業をしたり、すごく活動した!って感じです。コロナの関係もあって2年生になってからあまり活動できていないんですけど。
いま実習のリーダーをやっていて、組織をどう動かすかということを学んでいるという感覚が強いです。自分はチームをどうまとめていけばいいのだろうかとか。地域の活性化も考えつつ、チームの仲間のこと、チームをまとめる過程を学んでいる気がします。

大学の実習活動「まちなかコンシェルジュ隊」での活動の様子
(小倉名物の被り物をかぶって道案内やマップ配布など観光客向けのおもてなし活動)
大学のスタディツアーでカンボジアに行った時の美乃ちゃんと現地の子どもたち

いろんなことを学んでるんだね。美乃ちゃんは卒業後のことや、将来のビジョンについていま思い描いていることはある?

大学卒業後は、まずは民間企業に勤めてみて、それから地元に帰ろうと思ってます。出水には、地域・まちづくり系の会社ってあまりないから、出水からいろんな地域を活性化できるような会社をつくれたらいいなあと思っています。

おお!美乃ちゃんがつくるまちづくり会社!

具体的には決まってないんですけど…私が考えているのは、いずみ学生つむぎ隊とか、若い世代がまちづくりに主体的に参加するというのが魅力的だと思っています。そんな仕組みをつくりたいなと。

若い世代に焦点を絞っているのは何か理由があるの?

推薦入試のときに、高校2~3年生60名を対象に「出水に残りたいか、残りたくないか」のアンケートをとったんです。結果は50名以上が外に出たいとの回答でした。外に行って出水には帰ってこようとはあまり思っていないような言い方の人も多かったように感じて、それはちょっと寂しい気持ちになりました。残りたいか残りたくないかは分からないけど、離れても出水のことは好きだと思ってもらえたらいいなあと。

美乃ちゃんのその”寂しいな”と思う気持ちってどうして湧いてくると思う?

んーなんでしょう。。小中高一緒にいた友達が”地元が同じ”ということでつながっている。だけど、別々の道に進み、お互い地元を離れてしまうことで、”地元”という共通のつながりが薄れてしまう感じがして…だから寂しいと思ったのかもしれないです。

地元でできたつながりが、そこを離れることで途切れてしまうのは寂しいよね。ちなみに、一度外に出てみた美乃ちゃんがいま出水に対して感じていることってあるかな?

外に出てみることで、出水っていいところだなあと思うことが多いです。だからこそ、一度出水を離れてみてよかったなって。違うものを見たり学んだり、出水にないものを北九州から持って帰れるんだろうなあとも思いますし、北九州になくて出水にあるものもたくさんあるので、そこは大切にしたほうがいいなあと思います。

出水のやっぱりここがいいなあと思うのはどんなところかな?

やっぱり出水の風景を見ると落ち着くなあと思うし、人がすごく温かいなあと思います。
わたしが北九州で勉強できるのも、家族や先生、友達、ダンスの先生…出水の人たちが応援してくれたから。出水って温かったんだなあって。

美乃ちゃんから出てきた”出水って温かったんだな”という気づき、なんだかとっても素敵だね。その地と紐づく人の縁、つながり。そこから安心とか愛着とか…他にもたくさん、いい思い出も悪い思い出も含めて多感な時期を過ごした場所で育まれていくものは大きい、ゆえに故郷になりやすいのかなと思ったりしたよ。
いやー素敵なお話を聞かせてくれてありがとう!!なんだか元気をもらいました!

いえいえ!こちらこそありがとうございました!

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