“ミツバチは人を刺さない”。人の健康を守り、教育にもつながるミツバチという存在。

“ミツバチは人を刺さない”。人の健康を守り、教育にもつながるミツバチという存在。

鹿児島で、蜂の針で、施術を行う。それはもう、ここだけではないでしょうか。
その名も「かごしま蜂針療法研究所」。出水市の野田町にあります。
今回はお父様とともに蜂針(ほうしん)療法を行う、福井隆司(ふくいたかし)さんにお話を伺いました!(当日は奥さまの祐子さんにも同席いただきました)


今回福井さんにお話を伺うのは、出水にある温泉の屋上でミツバチを飼ってはちみつを作っている方がいる!という情報を聞きつけてですね。

はい(笑)

早速ですが…なぜ蜂なんですか?(笑)

きっかけは、父親が始めた蜂の針をつかった蜂針(ほうしん)療法がはじまりです。
神経痛持ちだった父親が、昔おじいちゃんおばあちゃんから、蜂が神経痛に効くと話していたのを思い出して、実際にやってみたら神経痛が治まりまして。
そこから父親は脱サラして蜂針療法の道へ…だから蜂なんです。

なるほど!もともとはお父様が始められたんですね!

そうです。蜂の針を使うってことは、当然蜂を飼育しないといけない。飼育すれば、はちみつも採れる。皆さんになじみをもってもらうには、蜂針療法より「はちみつ」だろうと。だからはちみつにも力を入れていきたいなと思っています。

たしかに「はちみつ」のほうが身近ですよね。
福井さんご自身と蜂の関わりはどんな始まりだったんですか?

県外でサラリーマンをしてたんですが、父親が脱サラしたと同時に、僕は千葉で蜂の勉強をして、脱サラして出水に帰ってきました。

おお~!さらっと言いましたけど、親子で脱サラして、蜂!なんですね(笑)

 あんまり考えたことなかったですが、たしかにそうですね(笑)

・・・さすがです(笑)
福井さんご自身も蜂に惹かれるものがあったんですか?

もともとスポーツジムで働いていて、蜂の針で身体が良くなるってことは、トレーナー的なことにもつながるなあと思って。自然と興味がわいた感じはありますね。

なるほど!つながるものがあったからなんですね。
福井さんの施術はどこで受けられるんですか?

蜂針療法は野田にあるかごしま蜂針療法研究所がメインです。あとは、最初に出てきたはちみつづくりを出水市堺町にある「千宝の湯」さんがある建物の屋上でやってまして。そこで週2回、蜂針療法でも入らせてもらってます。

蜂針治療…すごく気になるんですが、身体の不調や困った症状がないとできないのでしょうか?

いえ、できますよ!体験しますか?

えー!!いいんですか!!

(ミツバチが入ったケースとピンセットを取り出す福井さん)

わあ!ほんとに蜂が入ってる…!!

生きた蜂です。ちょっとかわいそうですけどね。この蜂針を直接刺すととんでもなく痛いので、針だけ抜いていきます。
(女性など針をさす位置によっては、奥様も施術されるそうです!安心ですね!)

(右手の甲に、蜂針をチョンチョンチョンと3か所刺してもらう)
わーチクチクする…!あ、じりじり、熱くなってきました!

何か症状があるなしに関係なく、顔に針を刺せば、血液をもってきて、そこでタンパク質をつくる。針を刺せば組織を壊すことになるのですが、それを修復するためにタンパク質を集める、それがコラーゲンです。

コラーゲンってそういうことなんですね…!

針を刺すというよりは、蜂の毒を体内に入れてあげる。体内は異物が入ってきたと思って、異物をやっつけようと、免疫が活性化される。つまり、免疫力をアップしていくという効果があります。これをツボに刺したり、痛みがあるところに刺したり。

刺す深さなども変えてるんですか?

針を置いたままにしておけば、毒をどんどん体に入れるので、深く刺すか、刺したままにするか。症状によって調整します。ただ痒みがあるので、最初からたくさんはできないんです。段階を踏んで少しずつ慣らしていきます。

慣れていくもんなんですか?

慣れていきますよ。うちの奥さんも最初は1週間ほど痒みがありましたけど、いまは全くないようです。
だいたい4~5日は体内に残るので、1週間に1回くらいのペースで刺すのがベストです。
1週間くらい痒いってことはそれだけの期間体内に残っているということなんです。

なるほど…!だいたい1回の施術に何匹くらいの蜂を使うんですか?

一人に対してだいたい20~30匹は使います。1本の針で10~20回くらい刺す感じです。

みなさん相当刺されてますね…(笑)
でもこれはぜひみなさんにも体験してもらいたいです。

さて、話は戻りまして、福井さんは脱サラして出水に帰ってきてどのくらい経ちますか?

もう15年くらいですかね。

蜂針治療というお仕事、やっていていかがですか?

お客さんに感謝してもらえるので、嬉しいですよ。みなさんありがとうございました!と帰っていくので。

いやぁ、そうですよね。蜂の針で健康になり、はちみつもまた身体に良い食べ物。ミツバチのありがたさを感じます。
さて、ここまでは蜂針治療のお話が中心でしたが、はちみつづくりのこと、またそれを取り組もうと思ったきっかけについてもお聞きしたいです!

はい。そのために、今日はこの本を持ってきました。

おお!これはあの有名な。

そうです。銀座の屋上で蜂を飼って、はちみつを採るプロジェクトの話なんですけど。銀座が最初でどんどん広がって今は天文館でもやってますよね。それでうちも「千宝の湯」さんでもやらせてもらってます。みかんが豊富で、環境的にもばっちり、絶対やりましょうと。
この本を持っていって、まずは読んでもらって。
実際銀座の現場も見に行ったことがあったので、イメージはありました。

おお!銀座まで見に行ったんですね!

はい。これ商店街でもできたら面白いなあって思ったりもしています。
東光山の桜もあるし、川もあるし、おそらく競技場くらいまでミツバチは飛んでいきます。桜の蜜が期待できるかも…!という、期待感だけはあるんだけど(笑)

わ~!それはわくわくする話ですね!!

日本では、蜂は怖い、蜂の巣があれば逃げなさいと言われるけど、ヨーロッパではミツバチがいるのは綺麗な花と水があるからだという教育になっていて、日本とは真逆。
秋になれば、スズメバチに刺されたとニュースでよく見ますけど、「蜂」でくくってしまってるだけで、ミツバチは人を刺さない。その知識を小さい頃から知っていれば、蜂に対する印象も変わってくるのかなと思います。

たしかに。誤った知識で決めつけるのは悲しいですね。
それと、なにやら福井さん…ミツバチのことをお伝えするための?お手製の紙芝居があると伺ったのですが!

…はい、あります(笑)今日は持ってきてませんが(笑)

残念!(笑)
いやでもその前に…実際に私も研究所にお邪魔したいです!

ぜひ!はちみつづくりももちろんですが、出水にある幼稚園や保育園に紙芝居をもってまわりたいなと思ってます。小さい頃から正しい知識をもってもらいたいですし、人と自然が共存するためにも、ぜひ聞いてもらいたい話です。

わぁ、それは素敵なアイデアですね。私もミツバチのこと、もっと知りたいです!子どもから大人まで学べることがたくさんありそうですね。
ひとまず今日はここまでということで、貴重なお話ありがとうございました!

はい、ありがとうございました!

―――ということで後日・・・「かごしま蜂針療法研究所」に行ってまいりました!こちらでも盛りだくさんの体験ができましたので、詳細は『出水を再発見』にてご紹介しております。ぜひこちらも読んでみてくださいね!

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